がんはミトコンドリアの障害で発生する

2019/03/20

前回のコラムで、がん細胞は発酵によってエネルギーを獲得していることを述べました。がん細胞は酸素を使わない発酵によって生きるのです。そして酸素を断続的に遮断すると、細胞はがん化しやすくなります。すなわち、がん細胞はミトコンドリアを使わずにエネルギーを生産しているのです。
 

出典:「がん治療の最前線」生田哲 SBサイエンス・アイ新書


なぜ、がん細胞は酸素を使わずに効率の低いエネルギーを生産するのでしょうか? もっとも効率のよいエネルギー生産はTCA回路と、それに続くミトコンドリアにおける電子伝達系です。がん細胞では、TCA回路とミトコンドリアの代謝にかかわる酵素がうまく働かないから、と推測できます。

酵素がうまく働かないおもな原因は、ビタミンやミネラルの不足が考えられます。ビタミンやミネラルが不足すると、ミトコンドリアの働きが低下し、ATPの生産が落ちこむから、と理解できます。がんは、ミトコンドリアの働きの低下に密接にかかわっているようなのです。
 
体内でATPが不足すると、なぜ、がんになるのでしょうか? まだ解明できていませんが、細胞膜を維持するのに大量のエネルギーが必要だからと推測できます。
 
こういうことです。細胞膜は外側がナトリウム豊富でプラスに荷電し、内側がカリウム豊富でマイナスに荷電しています。膜がこのように荷電しているのは、膜に埋まっているナトリウム・カリウムポンプが活動するからですが、このポンプを動かすのに大量のエネルギー、つまりATPが必要というわけです。
 
ミトコンドリアの働きが低下し、ATPの生産が落ちこむと、膜が正常に機能しなくなり、細胞ががん化するのではないでしょうか。

 

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